年中様々な催し物のある熊野市ですが、その中でも5月の風物詩といえば鯉のぼりです。
七里御浜海岸にたなびく250匹の鯉のぼりたち。熊野灘から吹く風で腹一杯にしながら雄大に泳ぐ姿は長年多くの人の目を楽しませてきました。
しかし、2023年の開催を持って、その歴史に幕を閉じることに(※追記、その後新展開があり、後継者が見つかったそうです!詳しくは後ほど)。少しでも、その姿を記録に残せればと、ブログとともに、動画も作成しました。
「泳げ!鯉のぼりくん」七里御浜の鯉のぼり
熊野の風物詩「泳げ!鯉のぼりくん」
毎年、三重県熊野市の七里御浜海岸では、5月5日のこどもの日を前に、伝統行事である「こいのぼり」が飾り付けられてきました。
「泳げ!鯉のぼりくん」と銘打たれたこのイベントは、40年の歴史があり、地元の有志の方で構成される「七里御浜鯉のぼりの会」によって運営されてきたそうです。
ここ数年はコロナ渦の影響で中止が続き、今年久々の開催となりましたが、高齢化や後継者不足などの問題もあり、2023年をもって長年の歴史に幕がおりることとなりました。
七里御浜海岸を泳ぐ圧巻の鯉のぼり
熊野の七里御浜海岸の鯉のぼりの特徴。それは熊野灘に向かって延々と続く鯉のぼりの雄大さです。
役1キロにわたって翻り続ける、鯉のぼりの群。
色とりどりの、巨大な鯉のぼりが悠々と泳ぐ姿は圧巻の一言です。
このイベントはゴールデンウィーク中にまたがるということもあり、国道に駐車してこの景色を楽しむ観光客の人々も多く、熊野大花火についで七里御浜海岸が賑わう行事でしょう。
熊野市名物鯉のぼりステッカー
「泳げ!鯉のぼりくん」で有名なものといえばステッカーがあります(下記の動画の中で出てきます)。
何年間も基本的なデザインは変わらず、毎年その年号のみが変えられるステッカー。
熊野市に住む人の車には、このステッカーを張っている人が多く、中には10枚以上張っているという猛者も。
このステッカーを車に貼るという習慣をみても、いかに七里御浜の鯉のぼりが熊野市民に愛されてきたかということがわかります。
「泳げ!鯉のぼりくん」
2023年、最後の開催となった「泳げ!鯉のぼりくん」。
子供連れの若いファミリーはもちろん、年配の方々も大勢で鯉のぼりの姿を楽しんでいました。
年配の方の中には40年以上この景色に親しんできた人もいるでしょうし、大切な風物詩が無くなってしまう寂しさもあったでしょう。近所のおじちゃんおばちゃんたちからも「鯉のぼり見に行ったか?」と何度も声をかけられました。
私の息子は6月生まれのもうすぐ4歳。2020年からコロナ渦のためこの鯉のぼりが中止となっていたので、今年初めてこの雄大な景色を見せてあげることができました。
私も小さい頃から親に連れられて見てきましたし、七里御浜に鯉のぼりがたなびくと、強烈に「5月」を感じたものです(あと銘菓「おさすり」も5月を感じます)。
息子が大きくなった時、少しでもこの鯉のぼりのことを覚えてくれていればいいなぁと思いました。
熊野市の鯉のぼりを動画に残す
これまでは、鯉のぼりの写真しか撮ってこなかったのですが、今年は動画も撮影してみました。
この鯉のぼりイベントの景色と空気感、そういうものを少しでも残しておきたくて。
撮影した日は5月1日の月曜日。平日の昼間だったので少し人は少なめでしたが、それでも地元の人や観光客で普段にはない賑わいに。
青空冴え渡る、五月晴れに恵まれて、鯉のぼりを楽しむにはこれ以上ないというお天気でした。
堤防から眺める人、真下からスマホを構える人、ピクニックを楽しむ人、ドローンで撮影する人など、それぞれの鯉のぼりを楽しむという、そういう時間。
聞こえてくるのは、風の音、波の音、砂利を踏みしめる音、国道を走る車の音、子供たちの笑い声。
毎年続いてきたであろう、熊野市の5月の風景、風物詩。
これからも当たり前のように5月になれば続いていくだろうと思っていたものが終わってしまうのは寂しいものです。
これまで、運営してくださった「七里御浜鯉のぼりの会」の方には感謝の言葉しかありません。ありがとうございました。
動画でその空気感が少しでも残せたら幸いです。
【2023年6月追記】
その後の新展開!若い後継者の方が見つかり、新しい運営の元、今後も続いていくとの情報が。ありがたいことです!