熊野大花火大会の魅力について

夏の夜空を光で埋め尽くす、熊野大花火大会。

歴史あるこの花火大会は、熊野灘を大舞台に約1万発もの花火を打ち上げ、七里御浜海岸を光と音で塗り替えます。

地元の人も遠方からの観光客も、皆が息を呑む瞬間が何度も訪れる、それが熊野大花火大会です。

熊野大花火大会の鬼ヶ城大仕掛け

熊野大花火大会は、単なるイベントやショーではなく、土地の歴史や自然と結びついた行事です。

本来は初盆供養のための花火大会であり、会場の一番良い位置には、その年に亡くなった方々の供養塔(紙でできたお墓の形をした灯籠のようなもの)が設置されています。花火大会の序盤には、その供養のための花火が点火されます。一般的にナイアガラと呼ばれる花火に火がつき、その火の粉が供養塔に降り注ぎます。私も今年、親戚のおばさんや小さい頃からお世話になったおばあさんが亡くなったので、その供養を願いながらこの花火を観ました。火と祈り。その精神性や祈りの時間が、花火をただの娯楽以上のものにするのです。

熊野大花火大会の魅力は熊野の海と七里御浜そして鬼ヶ城という地形が大きな役割をはたします。独自の地形から生まれる、視覚と音響は他の花火大会ではなかなか味わえません。

目玉の一つ“三尺玉海上自爆”は言葉を失う迫力を誇ります。

海の上に浮かべた仕掛け玉が大きな光の輪となって開き、その直径はなんと約600メートルにもなります。アナウンスのカウントダウンとともに、熊野の海に数秒だけ生まれる半円状の光のドーム。熊野大花火大会は観ている場所と花火との距離が近いので、それこそ視覚いっぱいが花火で埋め尽くされるような感覚に陥ります。その迫力と衝撃は花火が終わった後も長く残り続けます。

よくテレビで取り上げられるのは三尺玉会場自爆などのいわゆる「映える」花火たち。しかし地元の人間からすれば、この花火大会の“最大の目玉”は何といってもラストを飾る「鬼ヶ城大仕掛け」です。

「鬼ヶ城大仕掛け」は彩色千輪という夜空をカラフルに染める美しい花火からはじまり、徐々に迫力のます花火へと夜空を染め抜いていきます。中でも熊野が誇る景勝地、世界遺産にも登録された鬼ヶ城を舞台に、そこへ直接玉を仕掛けて自爆させる演出は、国内外を見渡しても類を見ません。岸壁に沿って配置された仕掛けが次々と点火され、爆発音が鬼ヶ城の複雑な地形やと周囲の山々に反響して、音が胸と腹にズンと響き渡る。この轟音による感動は何物にも変えがたい、唯一無二のものです。ビデオや写真では到底伝えきれない、生の感動で熊野大花火大会はフィナーレを迎えます。

フィナーレの轟音が余韻を残して消えたあと、最後の、アンコールとも呼べるひと時が訪れます。七里御浜海岸を埋め尽くす十数万人の観客が、花火師さんへの感謝を伝えるために、スマホや懐中電灯を海に向けて手を振り、その光で気持ちを表します。七里御浜中に揺れる光の点。なんとも優しさにあふれた、美しい花火の終幕です。

熊野花火大会が終わった後、会場を歩く人々の顔には満足と少しの寂しさが混ざっています。帰路につく道すがら、聞こえてくるのは「今年の花火もよかったね」という声。この後車の人は深夜まで交通規制で待たなければならず、電車の人は乗るための長い行列を並ばなければなりませんが、それでも毎年遠方からのリピーターが絶えません。何度でも観たくなる花火大会なのです。

初めて訪れる人へ最後に一言。テレビやSNSなどの映像だけでは伝わりきれない迫力が魅力の熊野大花火大会です。ぜひ現地でその音と光、そして岩肌に反響する轟音を体感してください。三尺玉海上自爆の圧倒的なスケール、そして鬼ヶ城大仕掛けが作り出す震えるような感動。一人でも熊野大花火大会のファンが増えますように。

熊野大花火大会の鬼ヶ城大仕掛け
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