こんにちは。三重県熊野市のデザイン事務所ソルトグラフィックです。
仕事場の近くには、世界遺産熊野古道が通っています。
日頃デスクワークばかりで運動不足になりがちこともあり、散歩代わりに熊野古道を歩くこともしばしば。
私がいつもいく熊野古道松本峠は、のんびりと歩けば90分〜120分ほどのコースながら、古くからの苔むした石畳を歩いたり、熊野灘を見渡せる絶景に出会えるなど充実した場所。
ほどほどの時間で、熊野古道を満喫できることから、熊野観光の途中で歩くにも最適なコースです。
熊野観光にきた人にもおすすめしたい、熊野古道松本峠歩きのおすすめコースや駐車場の場所など紹介します。
熊野古道松本峠のおすすめルート
熊野古道松本峠とは
松本峠とは、さまざまなルートがある熊野古道の中で伊勢と熊野を結ぶ伊勢路の最後の峠。
三重県熊野市に位置し、観光地として有名な鬼ケ城から歩いていけます。
苔むした石畳や鬱蒼とした森を抜けた先には、熊野灘を一望できる東屋があるなど見所多数。
所要時間も休憩しながら歩けば90分から120分ほどと適度な時間で熊野古道を堪能できることから、熊野観光のコースに組み込むにはおすすめの場所です。
鬼ケ城センターの駐車場から松本峠の登り口へ
私がいつも散歩コースにしており、観光客の方にもおすすめな鬼ケ城センターから松本峠を通るコースを紹介させていただきます。
車で観光されている方を想定して、スタート地点は鬼ケ城センターの駐車場としてます(松本峠登り口そばにも駐車場があるのですが、終着点がこの場所になるのと、歩き終えた後に飲食や買い物を楽しめることから、鬼ヶ城センターの駐車場をおすすめします)。
広々とした駐車場で、いつも観光客で賑わっています(この奥にある鬼ヶ城も世界遺産に登録されており、絶景なので松本峠を歩いたあとは是非観光していってください)。
そこから、いま車で入ってきた鬼ケ城センター入り口の方へと歩を進めます。ちなみに鬼ケ城センターの入り口付近の歩道には人気漫画「ゴールデンカムイ」にもちょろっと登場する田本研造さん(熊野市出身の明治時代の写真家・新撰組の土方歳三の写真を撮ったことで有名)の石碑が(下記リンク参考)。
【熊野地方】漫画・アニメ聖地巡礼紹介
今日は秋らしいいいお天気なので海も綺麗、古道歩きも楽しみです。スマホ片手にいろいろと撮影。
ちなみに松本峠へ登る前には鬼ケ城センターに入る道のところある公衆トイレ(写真右手)でお手洗いを済ませておきましょう。峠の中にはトイレがありません。自販機などもないので、あらかじめ飲み物の確保もお忘れなく。
そこからまたしばらく国道沿いを歩いていきます。右手に大泊海水浴場をながめつつ、少しいったところに信号が。そこの横断歩道を渡ったところに、熊野古道松本峠の入り口があります。
いざ、熊野古道松本峠へ
ちょっとした広場みたいになっている松本峠の入り口。ここからいにしえの熊野古道体験の始まりです。
松本峠入り口には、熊野古道客のために貸し杖が用意されています。峠を降りた先に、返却場があるので、必要な方はぜひご利用ください。
さぁ、準備は整った。いざ熊野古道松本峠へ!
しょっぱなの登りだしだけは、整備された石段を通りますが、すぐに苔むした石畳へと変わります。
大小さまざまな岩で組み合わされた、石畳。昔の人々が、ひとつひとつ担いでこの道を作ったかと思うと頭がさがります。一見自然の景色に思えますが、ここは多くの人の努力や信仰心で作り上げられた道なのです。
熊野古道の中で、松本峠の見所の一つが積み上げられた石畳の側面が見られるということ。
古来より熊野は雨が多い地方なので、土に薄く石を引いただけでは流されてしまいます。何段にも積み重なった石畳には先人の努力がうかがえます。
石畳の一つ一つにも注目してください。石をおおいつくそうとする苔、苔、苔。
人が歩くところは苔がはげ、人が歩かないところにはさまざまな種類の苔が石をおおう。
じっくり足元を見ると、人と自然との営みみたいなものも楽しむことができます。
しばらく歩いて行くと、石畳に変化が。熊野古道は、一つの時代に作られたのではなくさまざまな時代に作られているので、場所場所によって微妙な違いが。
松本峠の頂上付近は、比較的新しい年代に作られた石畳。目もつまっており、歩きやすくなっています。この辺りは竹林になっており、これまで歩いてきた道と、雰囲気に変化も。ここまでくれば頂上はすぐです。
松本峠のお地蔵様から絶景のある東屋へ
新しい石畳の先が、松本峠の頂上。
少し開けた場所になっていて、そこではお地蔵様が古道客を出迎えてくれます。
この松本峠のシンボルともいうべきお地蔵様は、大昔ばけものと間違えられて鉄砲で撃たれたという歴史があります。
お地蔵様の側面を見ると、今でも鉄砲の跡が。ぜひ探してみてください。
この頂上にはベンチなどもあり、一息つくことができます。
少し休憩したら、さぁ出発。ここからちょっと行った先に松本峠自慢の絶景が広がる東屋が!
お地蔵様の先で道が二手にわかれています。まっすぐに行けば、「木本登り口」という熊野市街地へと向かう本来の熊野古道松本峠の降り口ルートなのですが、鬼ケ城センターの駐車場へと戻りたいので、左手の「鬼ケ城城跡」ルートを進みたいと思います(松本峠の降り口ルートを辿る人も、絶景の東屋には是非寄って欲しいです)。
ちなみに、この鬼ケ城城跡ルートは厳密に言えば熊野古道ではありません(たしか)。ですので石畳ではなく、林道が続くことになります。
木々に囲まれたこのルートは、少し歩きにくくはありますが、木の根がからみあった道は見もの!有機的な自然の造形といいましょうか、人為的には表現できない面白さが足元に広がります。
そんな鬱蒼とした木の根の道を進んだ先、急に景色は開けます。
ここが松本峠自慢の絶景のある東屋。
ここから熊野灘や七里御浜海岸が一望できます。天気がよければ七里御浜に打ち寄せる白波や、和歌山県のほうまで見渡せるので、休憩がてらゆっくりと景色を楽しんでください。
東屋から鬼ケ城城跡、そして駐車場へ
東屋で景色を楽しみつつ十分に休憩ができたら帰路へとつきましょう。
東屋のわきに、鬼ケ城城跡ルートの看板があるのでその道を進みます。
少し狭めの林道をてくてく歩いて行くと、また開けた場所にでます。ここが鬼ケ城城跡。
かつてここには有馬和泉守忠親という人の隠居城があり、かなり大きな山城だったそう。いまでは形跡はなく、広場となっています。
ここも海を見渡せるいい場所。広場の少し奥には「鬼の見晴台」と呼ばれる場所があり、フォトスポットとしてもおすすめです。
高台よりたっぷりと海を堪能したならば、ぼちぼち歩いて帰りましょう。
鬼ケ城城跡からは、桜の道というところを下りながら駐車場へと向かいます。
ここは2000本の桜が植えられており、春には花を楽しみながら歩くことができます。
この桜の道ですが、ちょっと急な下り道で、一部足場の悪いところもあるのでゆっくりと気をつけて歩いていきましょう(桜の季節は、立ち止まりながら花を楽しんでくださいね)。
時折木の間から見える海の青さを楽しみつつ、道を進めば鬼ケ城センターの駐車場へと帰ってきます。お疲れさま!
ちなみに、登り口で借りた杖ですが、この駐車場の観光看板のうしろに返す場所がありますので戻しておきましょう。
今日は10月にしてはなかなか暑い日だったので、鬼ケ城センター名物の新姫ソフトクリームを食べることに。新姫とは熊野市にしかない新種の柑橘。爽やかな香りが特徴で、そのソフトクリームは人気の一品。
さっぱりとした味わいと爽やかな新姫の香りが楽しめ、古道歩きの跡にはぴったりでした。
この鬼ケ城センターには食事処やお土産もの売り場が完備されており、熊野の特産品が沢山販売されています。私のデザインしている「ヤタガラスの手ぬぐい」も売っているので、お立ち寄りの際は合わせてどうぞ!
※ヤタガラスの手ぬぐいは下記ネットショップからでもご購入いただけます。
鬼ケ城センターの奥には、こちらも世界遺産に登録されている鬼ケ城があります。熊野灘を望む奇岩壁の数々。自然が作り出す圧巻の造形が広がります。
どちらかというと、鬼ケ城目的でこちらに立ち寄る観光客の方が多いと思われますが、ここまできたら是非熊野古道松本峠にも足を運んで欲しいです。
「熊野古道歩いてきたで!」と、いい思い出になりますよ!
所要時間にして90分から120分ほどなので、旅行の途中に組み込むにはちょうどいいボリューム。
鬼ケ城とセットで、この熊野古道松本峠歩きを是非体験してみてください。
※熊野古道は整備された道路ではなく、昔ながらの石畳や山道が続きます。行かれる方は、履物や服装など歩きやすい格好でお越しください。
※ロゴやパンフレットなど各種デザインがご入用の時にはソルトグラフィックにご相談ください。
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