こんにちは。三重県熊野市のデザイン事務所ソルトグラフィックの塩崎です。
私は熊野市でデザイナーをしており、時々「熊野っぽさ」を出したデザインを担当するときもあるのですが、そんな時に色々頭を悩ませることもあります。
「何をモチーフ(題材)にしたら熊野っぽさが伝わるのか?」と。こんなことを考えつつ、熊野らしさが伝わるモチーフについて考えてみました。
熊野といえば?「らしさ」が伝わるモチーフについて考える
熊野のイメージって?
デザイナーの仕事をしていますと、熊野のお土産物や観光案内のデザインを担当することもよくあります。
特にお土産物デザインなどは、他の地域から来たお客さんの「何かしら熊野らしいものを」というニーズに応えたものの方が、手に取られやすいですね。
人はお土産物を買うとき、訪れた観光地「らしさ」がギラッギラに光るものを求める傾向にあります。
もちろん、私もそういうものをデザインに落とし込みたい。しかし、熊野には「これっ!」といった、分かりやすいモチーフがないので、苦労することが多いのです。
店のロゴマークや秋田県発行のフリーマガジン「のんびり」のデザインなど、魅力あふれる作品を手がけている美郷町のデザイナー…
最近、上記の記事を読み、ますます熊野らしいデザインってなんだろうと考えるにいたりました。
これといった具体的なモチーフが少ない
「おいおい、熊野には熊野古道があるじゃないか!」と思われる方も多いでしょう。確かに、熊野には熊野古道があります。世界遺産です。多くの人に有名です。
しかし、熊野のエリアはあまりにも広い。
熊野古道のエリアなどは、和歌山、三重をメインに紀伊半島南部ほぼすっぽり入ります。
たとえば、熊野市の事業者さんのお土産物をデザインするときに、はたして熊野古道でいいのだろうかという気持ちも。
また、熊野古道って石畳の道なので、それ単体ではお土産物のモチーフとして使いづらい。そこで、モチーフとして多くのお土産物に使われるのが古道と平安衣装の女性のセット。
が、これもどうだろうと最近思い始めました。
よくよく調べてみると、実際平安時代には、熊野古道のパンフレットでよく見かける派手な衣装での熊野詣ではなかったようです。古い絵巻物なんかにも、どちらかといえば地味な、機能性のある格好が見受けられます。
古道、平安衣装のモチーフはわかりやすいといえばわかりやすいのですが、最近もっと他にないのかなという気持ちも強くなってきました。
よその地域を例にとるとキャラクター化しやすそうなものが
よその地域を例にとると、お土産物のモチーフにしやすそうなものがたくさんあります。
たとえばお伊勢さんなら伊勢海老、伊賀なら忍者、信楽ならたぬき、奈良なら鹿、愛知ならしゃちほこ、沖縄ならシーサー、秋田ならナマハゲ、北海道ならアイヌの人々といったようなものがっぱっと思い浮かびました。
その県、その地域といえばぱっと思い浮かぶもの。なおかつ、キャラクター化しやすいようなものが、お土産物のモチーフとしては使いやすそうです。
熊野古道は道なので、それ単体ではちょっと使いづらい。空間単体は、お土産物としてのご当地モチーフにはちょっと使いづらいみたいです(東京タワーのように象徴的な建築物でしたら、まだ使いやすいかも)。
知名度の高い、熊野のモチーフ「ヤタガラス」
古道以外で、熊野のモチーフになり、かつキャラクター的にもわかりやすいものはないのか。
一つあります。ヤタガラス(八咫烏)!
熊野の神様のお使いにして、導きの神。三本足のカラスの姿をしており、日本サッカー協会のシンボルマークにも使われているヤタガラス(ワールドカップのときによく目にしますね)。
ヤタガラスは、サッカー人気もあり近年知名度が高まっていますね。私も手ぬぐいのモチーフとして使わせていただいていますが、お土産物として人気商品となっています。
熊野の神様ヤタガラスの手ぬぐいsalt graphicオリジナル商品のヤタガラスの手ぬぐい(熊野の黒〜三つ組ヤタガラス〜)です。熊野にある、神聖な黒い色のものを手ぬぐいにデザインしたシリーズ「熊野の黒」の[…]
熊野のモチーフとして、ヤタガラスを取り入れていくのは、今後より増えてくるでしょう。
熊野市でいうと何だろう?
熊野地域全体としてのモチーフとして、ヤタガラスは知名度もありわかりやすいと思います。
それでは、私が住んでいる熊野市には何かいいモチーフはないだろうか。
キャラクターしやすそうなものとしては、獅子岩がありますね。ある一方からみると、海に向かって獅子が咆哮をあげているかのように見える、熊野の奇岩。世界遺産に登録されています。
まだ全国的な知名度はないものの、お土産物に積極的に取り入れていけば「奇岩といえば、熊野、獅子岩!」みたいになるんじゃないかと。
全国的に有名な、男鹿半島の「ゴジラ岩」に勝るとも劣らない逸材ですよ、獅子岩。
イメージの浮かびやすいものというのは、ご当地アピールに有効に働きます。熊野市は、今後獅子岩推しでいかがでしょうか。
熊野市と聞いてそのモチーフがイメージされるように
そのほか熊野市の例をいうと、鬼ヶ城では鬼、花の窟神社ではイザナミノミコトなど、モチーフとなりそうなものはたくさんあります。
こんにちは。三重県熊野市のデザイン事務所ソルトグラフィックの塩崎です。本日は、私がパッケージデザインを担当させていただいた「いざなみ米」の紹介と、花の窟神社について紹介したいと思います。近年、熊野市のお土産物としても人気とな[…]
今後は、それらが熊野市のイメージと結びつくようにしていくような試みが必要になってくるでしょう。
ほかの地域の人が熊野市と聞いて獅子岩、鬼ケ城の鬼、花の窟神社とイザナミノミコトというふうにイメージを浮かべるまでになっていけば万々歳。
熊野らしさ、熊野市らしさを伝えるために、いまいちどモチーフの掘り起こしの必要性を再確認したしだい。
※ロゴやパンフレットなど各種デザインがご入用の時にはソルトグラフィックにご相談ください。
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